“ポップアート”と聞くと、
- パステルカラーが使われいるビビッドな作品
- ポップでアメコミみたいな作品
とイメージするのではないでしょうか。確かに上記のような解釈も間違っていませんが、ポップアートには“社会に伝えたいメッセージ”が隠れているものです。
今回はポップアートをより楽しめるように、一般的な意味や歴史背景を解説します。画廊やギャラリー、美術館に行かれる方は、ぜひ本記事を覗いてみてください。
意外と知らないポップアートとは
ポップアートは、大量生産・大量消費の時代を背景に、広告(チラシ)や漫画にアートを取り入れた“近代美術の運動”とされています。
人によって解釈や定義は異なりますが、簡単にお伝えすると“チラシや空き缶など大量消費するものに絵を描いて「これもアートだよね」ということを伝える活動。”
作家によって作品に込めるメッセージは異なり、
- 「大量消費って何の意味があるの?」
- 「印刷時代の大量消費って便利だよね」
など、皮肉を込める作家から絶賛するアーティストまで幅広く存在します。
ポップアートと現代美術(現代アート)の違い
ここで混同されるのが、ポップアートと現代美術(現代アート)の違い。
双方に明確な違いはありませんが、アート界隈では以下のように考えられることがあります。
時代 | 代表的な作品ネタ | 特徴 | |
ポップアート | 1950年代後半〜190年代前半 | チラシ・コミック・スープ缶など | テレビ&大量消費ブームのアート作品 |
現代美術(現代アート) | 1960年代後半〜現代 | 特になし (絵画・パフォーマンス・メディアアートも含む) | その時代に生きるアーティストが感じる世界観を問題提起する傾向がある |
例えば現代でスープ缶などを使って作品を作ると、現代アートとして見られることが一般的。つまりポップアートは、現代美術に含まれると考えられるでしょう。
ただし、国や地域、ギャラリーや美術館によって双方の解釈は異なる可能性があります。もし作品を展示する場合は、自分の作品のジャンルを事前に伝えることをおすすめします。

ポップアートと前衛美術の違い
前衛美術とは簡単にいうと、“古い概念を取り壊した美術作品”のこと。20世紀に発生した視覚美術の一つであり、当時の常識を覆す行為から前衛的な美術作品といわれています。
“今までにない画期的なアート作品”というと聞こえは良いかもしれません。しかし歴史的背景には、カメラの登場により視覚美術(目にみえる写真を正確に模写する美術)は衰退しました。
そして当時の作家たちはカメラでは絶対に表現できない作品を作り、これらが前衛美術と呼ばれるようになりました。
ポップアートは歴史が面白い
ここからは、ポップアートの歴史を簡単にかいつまんでみましょう。
ポップアートはイギリスで誕生した
ポップアートは1950年代初頭にインディペンデント・グループが結成され、イギリスで誕生しました。
リチャード・ハミルトンやエドゥアルド・パオロッツィなどのアーティストを含むこのグループは、アートやデザインなど、アメリカのポップカルチャーに影響を受けた作家たちです。
彼らの作品には、広告、SF、ハリウッド映画のイメージがよく取り入れられ、ポップアート運動の舞台となりました。これまでの美術作品と違い、画材にこだわらずユニークなもので表現し、当時はポップアートブームが到来したといわれています。
アメリカのポップアートが急成長
1960年代のアメリカではポップアートが強く注目されます。アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインなどのアーティストが頭角を表し、アメリカの消費社会をテーマにした作品がブームを巻き起こしました。
アメリカのポップアートは大量消費だけでなく、富裕層の生活や日常の陳腐さをテーマにしており、社会に対するアンチテーゼとして共感を集めています。
マリリン・モンローやキャンベル・スープ缶のように、メディアで象徴化されたイメージに注目したポップアートの手法は、SNSや広告にあふれる現在の視覚文化を考えるうえでも示唆に富んでいますね。
こうした背景を知れば、ポップアート作品の皮肉やユーモア、消費社会への視点などがより深く楽しめるようになるでしょう。
代表的なポップアート作家
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)
ポップアートの旗手と呼ばれ、広告デザイナー出身の経歴から映画、音楽プロデュースまで幅広く活躍したアーティスト。最も有名な作品「キャンベル・スープ缶」シリーズ(1962年)は、目にした経験があるのではないでしょうか。
アメリカ人になじみ深いスープ缶のラベルを等寸大で油彩した後、シルクスクリーンで多色・反復制作する手法により、一躍アイコン的存在となりました。
ロイ・リキテンシュタイン(Roy Lichtenstein)
アメリカ出身の画家で、漫画のコマや商業広告のシーンを原寸大かそれ以上に拡大し、太い輪郭線とベンデイ・ドットで模写するスタイルで知られているアーティストです。
1965年作“ヘアリボンの少女”などでは、コミック特有の色使い(赤・青・黄・黒)と拡大図像が目を引き、ポップアートを代表する手法を確立しました。ここでの技法が高く評価され、現在の漫画のスタイルにも影響を与えています。
ポップアート風のイラストってどうやって書くの?
ポップアートを勉強している方には、「ポップなイラストを描いてみたい!」と思うのではないでしょうか。ポップアート風のイラストの書き方に正解はありません。
ですが、アメリカンポップアートに挑戦したい方は、以下のポイントを抑えてみてください。
- 輪郭線を太くする
- インクを滲ませない
- 明暗をはっきり分ける
ポップアートはグラデーションで雰囲気を作るより、“パキッとした感じ”の方が理想の世界観に近づけるかもしれません。原画とデジタルとで書き方は異なるので、あなたなりの表現を探してみてください。
ポップアートにおすすめのイラストアプリ
本記事の参考文献
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