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「わたしは、売れたいんです」|メイクアップーティスト Akiko Koshiyama

2025 12/26
ART
2025年12月20日2025年12月26日

広告かファッションのヘアメイクを手がける腰山暁子さん。アートの世界にも挑戦しながら、自身の活動の場を広げている。


わたしは、もっと売れたいんです。


そう考える彼女は、これまでどんな活動をしてきたのでしょうか。

Keito

僕も同じ業界にいた人間なので、お話できるのを楽しみにしていました!
今日はよろしくお願いします。

腰山さん

よろしくお願いします。

スクロールできます

AKIKO KOSHIYAMA

ヘアメイク歴20年。
多数のタレント・アーティストの現場を担当してきた経験を経て、
表現の可能性を広げるため4年前から特殊メイクを習得。

インスピレーションとして受け取ったイメージを可視化し、ビューティーと特殊メイクを融合したアート作品として表現している。

目次

現在の活動を簡単に教えてください。

腰山暁子制作作品:本人提供
Keito

改めて、現在の活動内容を教えてください。

腰山さん

メインの仕事はヘアメイクです。

Keito

具体的に、どのジャンルが多いのでしょう?

腰山さん

どこかの業界に特化しているわけではないので、テレビや広告、雑誌など仕事内容は幅広いかもですね。

Keito

アートの世界への挑戦を始めたのはいつ頃からでしょう?

腰山さん

明確に活動を始めたのは、今年(2025年)の6月だと思います。初めて個展を開催させていただきました。

制作はもっと前から始まっていましたが、具体的な期日となると、この辺りがわかりやすいと思います。

Keito

なるほど。

撮影関係のヘアメイクをしているとなると、活動拠点は東京になりそうですね。

腰山さん

そうですね。

20代で上京して、フリーでヘアメイクの活動を始めました。それからはずっと東京です。

Keito

それまでは何を?

腰山さん

名古屋でヘアメイクをしていました。アシスタントから始めて、東京で活動を開始って感じです。

ヘアメイクとして仕事を受注するまでは、苦労の日々

Keito

単身で上京されたんですね。

東京に業界関係者の知り合いはいたんですか?

腰山さん

全くいなかったです。なので、ヘアメイクの仕事を貰えるまで苦労しました。(笑)

Keito

想像できます。

東京といえど、撮影の案件を取るって意外と難しいですよね。

腰山さん

ほんとにそう思います。

いろんな事務所に話を聞いたり、人のつながりでお仕事を紹介してもらったりでした。

Keito

自分で仕事を受注できるようにならないと、ギャラがかなり下がると思います。

その辺りは大丈夫だったんですか?

腰山さん

正直にいうと、すごい低かったです。

早朝から深夜まで働いて1万円切ることもあったし、仕事が毎日あるわけでもありません。

家賃を払えないこともあったし、お金には苦労した気がします。

Keito

こういう言い方があっているかわかりませんが、この業界のあるあるだと思います。

お金が安定するまでは、生活はどうしていたんですか?

腰山さん

バイトしながら食いつなぐ、ですね。

ヘアメイクで生きていきたいって想いが強かったので、多少無理してでも業界にしがみついて生きてきました。笑

ヘアメイクで生きていきたい、という根源

Keito

かなりの苦労があったのは想像できます。

実際、多くのヘアメイクが同じような環境を経験していると思います。

そして、その中で辞める人が多いのも事実です。腰山さんは、どうしてヘアメイクを続けられたんですか?

腰山さん

どうしてなのでしょう……

ヘアメイクが好きっていうのが強いと思います。

腰山さん

上京してから世界で活躍するヘアメイクさんと会うこともあって。

自分も、そういうグローバルな人間になりたいなって思ったことも一つだと思います。

Keito

ちなみに、いつ頃からメイクの仕事がしたいと思ったんですか?

腰山さん

高校生の時には美容の道に進みたいと考えていました。

今でいうギャルメイクとかも好きでしたから。

幼少期は母の化粧品で遊ぶのが好きだったので、昔から美容への興味はあったんだと思います。

Keito

なるほど。

ちなみに、美容の道に進むことは、両親は許してくれたんですか?

腰山さん

めちゃくちゃ反対されましたね。

両親は国家公務員ということもあり、色々と厳しい家庭環境でした。

Keito

そうなんですね!それはびっくりです。

腰山さん

親の勧めで大学まではいきました。ただ、それまで自分のやりたいことができないというか、制限される環境ではあったと思います。

大学から今に至るまで、「自分のやりたいことをやる!」って想いが強くなったのかもしれません。

Keito

よく聞く話なのですが、やっぱり大学時代は遊んだんですか?

腰山さん

遊んだと思います。それまでほんとに何もできなかったので。笑

ヘアメイクからアートの世界へ

Keito

ヘアメイクの仕事で生きていくって決めて、それを達成しているのは凄いと思います。

ちなみに、バイトはいつまでやっていたのですか?

腰山さん

30歳くらいだったかな……

「もうバイトしなくてもいいかも!」って思えるくらい仕事をいただけるようになって。

Keito

辞める人が多いなか、0からのスタートで本当にすごいことだと思います。

腰山さん

ほんと、よくやった自分!って思いました。笑

他人からしたら小さなことかもしれないけど、やってきてよかったって思える一つでしたね。

Keito

じゃあ、それからはヘアメイク一本で生計を立てていたんですね。

腰山さん

その通りです。特に30代はほとんど仕事だけをしていました。

Keito

生活費に怯えることからは抜け出せたんですね。

腰山さん

そうですね。

ありがたいことに毎日撮影が入ったので、収入面の問題は解決されました。

ただ、次は自分の方向性がわからなくなりました。

Keito

というと?

腰山さん

早朝から深夜までの仕事が何ヶ月も続いてるとき、「あれ、わたしってなんのためにこの仕事をしてるんだっけ?」

って思うようになりました。

贅沢な悩みってことはわかるんですけど、当時の自分はちょっとネガティブな気持ちになることが多かったです。

Keito

業界でやり続ける人しか理解できないし、おっしゃるように、人から見ると贅沢な悩みですからね。

ただ、このジレンマは心に負担をかけると思います。

腰山さん

仕事の帰り道で涙がこぼれることもあって。

何が違うんだろう、何がダメなんだろう、何で認められないんだろって。

Keito

仕事は取れているのに満たされない、という気持ちですね。

腰山さん

自分なりに大切にしてる「愛」とか「人のつながり」とか、そういったものを何かしらの形で発信したいって気持ちもあって。

それがきっかけでアートの世界に挑戦しようと決めました。

アート活動に対する想い「アーティストとして売れたい」

Keito

腰山さんの作品のテーマは、「愛」でしたね。

なぜそのように考えるのでしょうか?

腰山さん

そうですね。

「内側に愛が満ちているとき、はじめて他者に思いやりを、やさしさを向けることができる」という考えを大切にしているんです。

それを発信して、世界に対して少しでもポジティブな影響が与えられる表現がしたいなって思います。

Keito

なるほど。素敵な考え方だと思います。

ちなみに、同業者として言わせてもらうんですけど、腰山さんってメイクめっちゃ丁寧ですね。

僕、作品見たときびっくりしました。

本人提供
本人提供
腰山さん

ありがとうございます。嬉しいです。笑

Keito

同じメイクをする人間として思ったのは、すべての工程が繊細であること。

正直、同業者じゃないとわからないことなので、多くの方に共感してもらえるかわからないですが……

腰山さん

メイクについては相当こだわっているつもりです。

偉そうなことを言いたいわけではないですが、それなりに頑張ってきた自負もあります。笑

Keito

先ほど、自分なりの表現としてアート業界に挑戦したいとおっしゃっていました。

ただ、「表現」だけが目的だと、美術や文学などヘアメイク以外の手段もあると思います。その辺りはどうでしょう?

腰山さん

そうですね……

伝えたいことに嘘はないですが、正直にいうと、「わたしの作品を見てほしい」という想いはあります。

Keito

自分の作品を見てほしい、ですか。

腰山さん

ジャンルによると思いますが、ヘアメイクって実力があまり評価されないというか……

メイクの技術以外の要素で評価されることが多すぎる気がします。

Keito

……それは否定できませんね。

腰山さん

実際、第三者のさじ加減で仕事がなくなることもありました。そういう世界だということも理解してるつもりです。

ただ、実力を見て適切な判断をしてほしい。だから作品を見てほしい、という想いは確かにあります。

Keito

それは大事な想いだと思います。それに、腰山さん以外のヘアメイクからも同じような話を聞く機会は多いです。

ただ、お話を聞いている限り、「自分の技術を正当に評価してほしい」という想いが伝わってきます。

腰山さん

表現したいテーマに嘘はありません。

ただ、「実力で売れたい」という想いがあることも事実です。

Keito

それは努力を諦めなかった人の言葉ですね。

事実、その全ては作品に乗っていると感じました。

腰山さん

もちろん、ヘアメイクとして生きていくうえで、技術以外のことも大事だと思います。それが評価につながることも理解できます。

だからといって、「ある程度の技術があれば誰でもいい」、「とりあえず使いやすい人がいい」というのは悲しいと思います。

Keito

おっしゃることはわかります。

つまり、表現したい気持ちもありながら、「メイクのアーティストとして売れたい」という強い想いを持って、アートの世界にチャレンジしているんですね。

腰山さん

そうですね。そうだと思います。

これからの活動について

Keito

これから、どういう活動をしていくんですか?

腰山さん

具体的な目標を設定をしているわけではありません。

でも、国内外で展示していきたいです。いろんな人にわたしの作品を見てほしいです。

Keito

素敵な目標だと思います。

ただ、アートの世界で活動するとなると、業界にあった動き方も大切ですよね。

全く違う業界からアートの世界に入った、腰山さんは、どのような方向性で活動していくのでしょうか。

腰山さん

アートの世界がどういうものか、というのを調べる前に個展を始めたので……。笑

どういう活動をするべきか、というのは手探りの状態です。

Keito

思い立ったら即行動、ですか。それも素敵ですね。

精力的に活動を続ければ、助けてくれる人は必ず現れると思います。

腰山さん

ありがとうございます。

とりあえず、今は自分の作品作りに全力で取り組んで、展示していこうと思います。

Keito

最後にちょっと質問なのですが、

・超高単価の案件が継続的にくること
・自分の作品を見て、いろんな人に評価してもらえること

どっちが幸せですか?

腰山さん

後者です。昔だったらわからないけど、やっぱり作品を見てほしい。

見てくれた人が、幸せな気持ちになってほしい。と思います。

Keito

素直な気持ちを言ってくれてありがとうございます。

またいつか、お話を聞かせてください。

腰山さん、今日はありがとうございました!

腰山さん

ありがとうございました!

 編集後記 

「売れたい」とはっきり言える腰山さんは、すごく素敵だと思いました。

ただ、彼女のいう「売れたい」は「稼ぎたい」ではないと感じています。明確には「認められたい」という、子どものような純白の心だと思います。

  • 誰よりもメイクが上手になりたい
  • 誰よりもモデルを綺麗にしたい
  • 誰よりも作品にこだわりたい

ヘアメイクを始めた当初は、誰もが抱く感情です。ですが、業界の中で生きていると自分と折り合いをつけ、生き方を変える人も少なくありません。そして、それが悪いとは思いません。

実際、僕も折り合いをつけた側の人間だと思います。

ですが、腰山さんのように「売れたい!」という気持ちを持ち続けることができたら、僕の人生も変わっていたのでしょうか。

真っ直ぐに生き、やりたいことに忠実な腰山暁子さんは、本当に魅力的です。

彼女のInstagramに美しい作品が掲載されています。また、機会があれば、彼女の作品を生で見てほしいと思います。きっと、得られる何かがあるはずです。

※「腰山暁子」さんの展示情報は、ご本人のSNSをご確認ください。

>>腰山暁子さんのInstagramはこちら

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この記事を書いた人

Keitoのアバター Keito

コピーライター/SEOマーケター/作家/脚本家/ヘアメイク。

10代後半から20代にかけて、東京を拠点にヘアメイクや映像制作など、クリエイティブ業界での経験を積む。

現在は福岡と東京の二拠点で、脚本執筆、撮影、マーケティング関連の業務を手がけている。

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