絵を始めたいけれど「どんな画材を揃えればいいのか分からない」と迷う方は多いものです。鉛筆や水彩、アクリル、油絵など画材の種類は幅広く、初心者には選び方が難しく感じられます。
価格や品質の違いに戸惑い、「安いもので大丈夫?」「プロ用を選ぶべき?」と不安になることもあるでしょう。この記事では、初心者向けセットからプロ愛用ブランドまで、用途別におすすめの画材を解説します。
そもそも画材とは?基本の知識
絵を描く際に使用する道具を総称して「画材」と呼びます。代表的なものには、鉛筆・水彩絵具・アクリル絵具・油絵具・パステル・色鉛筆などがあります。
それぞれに特性があり、発色や耐久性、描き心地が大きく異なります。たとえば水彩は透明感が特徴で、アクリルは発色が鮮やかで乾きが早いのが魅力です。
画材の定義と種類(鉛筆/水彩/アクリル/油絵/パステル/色鉛筆)
画材とは、絵を描くために使う道具全般を指します。もっとも身近なのは鉛筆で、デッサンやスケッチの基礎に欠かせません。水彩は透明感ある表現に適し、アクリルは鮮やかな発色と速乾性が魅力です。
油絵具は重厚感のある仕上がりが特徴で、美術教育や作品制作に広く使われます。さらに、柔らかな色調を出せるパステルや、多彩な色彩で手軽に描ける色鉛筆も人気です。
それぞれの特性を知ることで、自分に合った画材を選びやすくなります。
初心者が知っておくべき基礎(耐久性・発色・価格帯)
画材を選ぶときには、耐久性・発色・価格帯の3つが基本ポイントです。耐久性は作品の保存性に直結し、紙や絵具の質が高いほど長持ちします。
発色は創作の表現力を左右する要素で、安価な絵具では彩度が弱く、思い通りの仕上がりにならないことがあります。
価格帯も重要で、初心者は無理に高級品を選ぶ必要はありませんが、あまりに安価すぎると練習に支障が出ることもあります。まずは中価格帯の道具を選び、少しずつグレードを上げていくのがおすすめです。
おすすめ画材セット(初心者向け)
初めて絵を描く方には、必要な道具が一式そろった「画材セット」が安心です。鉛筆・消しゴム・スケッチブックを含むスターターセットは、デッサンの基礎練習に最適です。水彩画を試したい場合は、ホルベインやぺんてるが出している初心者向け水彩セットが扱いやすく人気があります。お子さまには、安全性に配慮された無毒性の絵具や専用画用紙を選ぶと安心です。
スターターセット(鉛筆・スケッチブック・消しゴム)
デッサンや基礎練習を始めたい方には、鉛筆・スケッチブック・消しゴムがそろったスターターセットが便利です。鉛筆は濃さのバリエーションがあり、硬いH系は細部描写に、柔らかいB系は濃淡表現に向いています。スケッチブックは適度な厚みがあり、鉛筆の線が滑らかにのる紙質がおすすめです。
消しゴムは練り消しタイプを併用すると、細かい修正やハイライト表現が可能になります。最低限の道具で始められるため、初学者でも気軽に取り組めます。
水彩画セット(ホルベイン・ぺんてる)
透明感のある表現を楽しみたい方には、水彩画セットが最適です。ホルベインの水彩絵具は発色が鮮やかで混色もきれいに仕上がるため、初心者からプロまで幅広く支持されています。
ぺんてるの水彩セットは価格が手頃で扱いやすく、学校教材としても定番です。セットには絵具、筆、パレット、画用紙が含まれる場合が多く、すぐに制作を始められるのが魅力です。
まずは手軽に試したい方はぺんてる、より本格的に取り組みたい方はホルベインがおすすめです。
子ども向け安全画材セット
小さなお子さまに画材を用意する際は、安全性を最優先に考えることが大切です。子ども向けの画材セットには、無毒性の絵具や折れにくいクレヨン、角の丸い色鉛筆などが含まれており、安心して使用できます。紙も強度のある専用画用紙を選ぶと破れにくく、思いきり描けるのが魅力です。
さらに、水で簡単に落とせるタイプの絵具や手洗いしやすい筆は、保護者にとっても扱いやすいポイントです。遊び感覚で表現を楽しみながら、創造力を育むことができます。
種類別おすすめ画材
画材は種類ごとに特徴が異なり、表現できる雰囲気も大きく変わります。ここでは、それぞれにおすすめの画材を見ていきましょう。
水彩画におすすめの画材
水彩画を始めるなら、透明水彩絵具と水彩専用紙、そして水含みの良い丸筆が基本となります。
透明水彩は重ね塗りによって奥行きを出せるのが魅力で、ホルベインやクサカベの絵具は発色の良さで定評があります。紙は吸水性と表面の強さが重要で、アルシュやワトソン紙などの水彩紙が人気です。
筆は丸筆と平筆を揃えると、細部と広い面の両方に対応できます。これらを組み合わせることで、水彩特有の柔らかな表現を存分に楽しめます。
アクリル画におすすめの画材
アクリル画に取り組む際は、速乾性と発色を活かせる専用絵具とキャンバスが基本です。リキテックスやホルベインのアクリル絵具は混色しても濁りにくく、鮮やかな色彩を長く保てます。
筆はナイロン製の硬めのものを選ぶと、絵具をしっかりとキャンバスにのせられるため表現の幅が広がります。
キャンバスは木枠に張られたものが一般的ですが、紙やボードタイプも手軽に試せます。乾燥が早いため重ね塗りがしやすく、初心者でもダイナミックな表現が可能です。
油絵におすすめの画材
油絵を始めるなら、油絵具・キャンバス・溶き油の3点が基本です。油絵具はクサカベやホルベインが定番ブランドで、発色や耐久性に優れています。キャンバスは麻布や綿布を木枠に張ったものが主流で、耐久性と質感に違いがあります。
溶き油には乾燥を調整する役割があり、作品の仕上がりや筆触に影響を与えます。さらに筆は豚毛の硬いタイプが適しており、厚く重ね塗りする際にも使いやすいです。本格的な表現を追求したい方にふさわしい画材です。
パステル・色鉛筆のおすすめ画材
手軽に始められる画材として人気なのが、パステルと色鉛筆です。パステルは柔らかい描き心地と独特のマットな質感が特徴で、発色の良さから風景や静物画に向いています。ソフトパステルは色の伸びが良く、重ね塗りもしやすいため初心者でも扱いやすいです。
一方、色鉛筆は細かい描写に適しており、ファーバーカステルや三菱鉛筆の製品は発色・耐久性ともに優れています。いずれも道具の準備が少なく、気軽に表現を楽しめる点が魅力です。
目的別・用途別の選び方
ここからは、画材の選び方について解説します。
趣味で楽しむ人向け(低価格・扱いやすい)
趣味で絵を描く方には、手頃な価格で扱いやすい画材がおすすめです。鉛筆や色鉛筆は準備も簡単で、紙さえあればすぐに始められます。
水彩絵具も比較的安価で、初心者でも透明感のある作品を楽しめます。アクリル絵具は乾きが早いため扱いやすく、身近な題材を気軽に描きたい方に向いています。
無理に高級品を選ぶ必要はなく、最初は使いやすさとコストのバランスを重視することが大切です。気軽に試せる画材から入ることで、長く続けやすくなります。
プロ・美大受験生向け(高品質・ブランド重視)
本格的に絵を学ぶ方や美大受験を控えている方には、高品質な画材を選ぶことが欠かせません。発色や耐久性に優れたホルベインやクサカベの絵具は、多くの美術教育現場で採用されています。鉛筆はステッドラーや三菱の専門ラインが描き心地に定評があります。
キャンバスや紙も安価なものではなく、保存性を意識した製品を選ぶことで、作品の完成度が大きく高まります。信頼できるブランドを選ぶことは、技術を正しく伸ばすための基盤となります。
プレゼント用におすすめの画材(ギフトセット)
絵を描くことが好きな方への贈り物には、見栄えのする画材ギフトセットが最適です。
高級感のある木箱入りの色鉛筆や、豊富なカラーを揃えた水彩セットは特に人気があります。ファーバーカステルやカランダッシュなどの海外ブランドは、品質とデザインの両方で喜ばれるでしょう。
また、初心者向けのスターターセットを選べば「これから絵を始めたい」という方にもぴったりです。実用性と特別感を兼ね備えたギフトは、創作意欲を引き出す素敵な贈り物になります。
画材選びで失敗しないための注意点
安すぎる画材の落とし穴(発色・耐久性)
初心者の方は「とりあえず安いものでいい」と考えがちですが、極端に低価格な画材には注意が必要です。安価な絵具は顔料の質が低く、発色が弱いため思い通りの色が出にくいことがあります。また、紙やキャンバスが粗悪だと保存性が低く、完成した作品が早く色あせたり破れたりしてしまいます。
さらに、筆は毛が抜けやすく描き心地が安定しないことも多いです。最初は中価格帯の製品を選ぶことで、練習の成果をきちんと感じられ、長く楽しむことにつながります。
保管・手入れを怠ると劣化する
画材は正しく保管しなければ、本来の性能を十分に発揮できません。絵具はチューブの口をきちんと閉めないと乾燥し、固まって使えなくなることがあります。
筆も使用後にしっかり洗わないと毛先が固まり、描き味が悪くなります。紙類は湿気に弱く、保管場所が悪いと波打ったりカビが生じたりすることもあります。
少しの手間をかけて手入れを行うことで、画材は長持ちし、作品制作に集中できる環境を保てます。道具を大切に扱うことが上達への近道です。
用途に合わない画材を選んでしまうリスク
画材は種類ごとに特性が異なるため、目的に合わないものを選ぶと表現がうまくいかず、挫折につながることがあります。たとえば、細密な描写をしたいのに太めの筆しか持っていなければ、思い通りの線が引けません。逆に、大胆な色面を描きたいのに小さな色鉛筆だけでは物足りなさを感じるでしょう。
用途を意識せず購入すると、結局使わなくなり無駄になることもあります。事前に「どんな絵を描きたいのか」を明確にし、それに合った画材を選ぶことが大切です。
おすすめ画材ブランド一覧
ここからは、人気の画材ブランドを紹介します。
ホルベイン(プロ愛用)
ホルベインは日本を代表する画材ブランドで、水彩・アクリル・油絵具まで幅広く展開しています。特に透明水彩絵具は、鮮やかな発色と滑らかな伸びの良さから、初心者からプロまで幅広い層に支持されています。アクリル絵具も耐光性と耐久性に優れており、作品を長く美しい状態で保存できます。
発色の鮮明さや混色のしやすさは、表現の幅を広げたい方にとって大きな魅力です。美大や専門学校でも採用されることが多く、信頼性の高いブランドとして知られています。
クサカベ(油絵具に強い)
クサカベは日本の老舗画材メーカーで、特に油絵具において高い評価を得ています。顔料の純度が高く、深みのある発色が長く持続するのが特徴です。プロの画家から美大受験生まで幅広く支持されており、重厚な質感を求める作品制作に適しています。
また、耐光性に優れているため、完成作品を長期保存しても色あせにくいのも魅力です。水彩やアクリルも取り扱っていますが、油絵具の品質においては国内外で特に信頼を集めるブランドといえるでしょう。
ファーバーカステル(色鉛筆の王道)
ファーバーカステルはドイツ発祥の老舗ブランドで、色鉛筆の分野で世界的に知られています。芯が折れにくく、発色が鮮やかで滑らかな描き心地が魅力です。特に「ポリクロモス」シリーズはプロのアーティストにも愛用されており、重ね塗りやグラデーションが美しく仕上がります。
耐光性に優れ、長期間作品を飾っても色あせにくい点も高評価です。趣味で描く方から専門的に学ぶ方まで幅広く使えるため、色鉛筆を選ぶ際には必ず候補に入れたいブランドです。
ぺんてる(子供〜初心者向け定番)
ぺんてるは日本で長く親しまれてきた画材ブランドで、特に子どもや初心者向けの製品が充実しています。学校教材としても多く採用されており、水彩絵具やクレヨンは扱いやすさと安全性の高さが特徴です。価格が手頃で入手しやすいため、気軽に創作を始めたい方に最適です。
また、カラーバリエーションも豊富で、初めての作品作りを楽しくサポートしてくれます。プロ向けのブランドと比べると発色や耐久性は控えめですが、入門用としては非常にバランスの良い選択肢です。
画材の購入方法とお得な入手ルート
画材専門店で購入するメリット
画材専門店で購入する最大の利点は、実際に商品を試せることです。紙の質感や絵具の発色、筆の描き心地などを手に取って確かめられるため、自分に合った道具を見極めやすくなります。また、専門知識を持ったスタッフに相談できる点も初心者にとって心強いポイントです。
さらに、画材店ならではの限定品やプロ仕様の製品が揃っていることも多く、本格的に取り組みたい方には最適な環境といえます。実際に触れることで、購入後の後悔を防ぐことができます。
ネット通販(Amazon・楽天)の便利さ
ネット通販を利用するメリットは、豊富な品ぞろえと手軽さにあります。Amazonや楽天では、国内外の幅広い画材ブランドを簡単に検索でき、欲しい商品をすぐに見つけられます。レビューを参考にすれば、実際の使用感や耐久性も事前に把握できる点が安心です。
さらに、セールやポイント還元を活用すれば、専門店よりもお得に購入できる場合があります。時間や場所を選ばず注文できるため、忙しい方や近くに画材店がない方にとって非常に便利な入手ルートです。
まとめ買い・セールを狙うポイント
画材を継続的に使用する方は、まとめ買いやセールを活用すると大きな節約につながります。絵具やキャンバス、スケッチブックなどは消耗品のため、複数購入しておくことで単価を抑えられます。特にネット通販では定期的にセールが行われており、ブランド品も割安で入手できる機会があります。
また、画材専門店の会員割引や学生向けの優待制度を利用するのも賢い方法です。必要な道具を計画的に購入することで、コストを抑えながら制作環境を充実させることができます。
まとめ
画材選びは、描きたい作品や目的によって大きく変わります。初心者は最低限そろったスターターセットから始め、慣れてきたら水彩・アクリル・油絵など種類別に道具を揃えていくのがおすすめです。趣味で楽しむ方には手軽で扱いやすい画材、専門的に学ぶ方には高品質なブランド製品が適しています。
自分に合った画材を選び、創作の幅を広げながら表現の楽しさを深めていきましょう。
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