美術館で見かけた不思議なオブジェ。
「え、これがアート?」「正直よくわからない…」と感じたことはありませんか?
現代アートは、見た目にわかりやすい“美しさ”よりも、
作家の問いかけや、自由な発想を楽しむもの。
- 「でも、知識がないと楽しめない……」
- 「自分は芸術に疎いから……」
とおもうかもしれませんが、そんなことはありません。
今回は、“現代アートとは何か”について解説します。魅力や楽しみ方、有名な作家、実際に訪れてみたい美術館やアートフェアまでをたっぷり紹介するので、ぜひ最後まで覗いてみてください。
現代アート(現代美術)とは?
現代アート(現代美術)とは簡単にいうと、20世紀半ば以降に登場した従来の枠組みにとらわれない自由な表現が特徴の芸術ジャンルです。
絵画や彫刻といった伝統的な手法にとどまらず、写真・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど多彩な技法や素材が用いられ、アーティストの個性や社会的メッセージが色濃く反映されています。
また現代アート作品には“明確な正解“はありません。見る人が自由に意味を解釈したり、問いを考えたりする余地がある点も現代アートの大きな魅力です。
現代アートと近代アートの違い
「近代美術」と「現代美術」は時代区分と表現手法の違いによって区別されます。
現代アート(現代美術) | 近代アート(近代美術) | |
時代 | 戦後(1945年以降)〜現在まで | 19世紀後半〜第二次世界大戦まで |
主な地域 | アメリカ中心 → 世界各地へ拡大 | ヨーロッパ中心 |
主な流派 | 抽象表現主義、ミニマルアート、ポップアートなど | 印象派、キュビスム、シュルレアリスムなど |
表現手法 | 日用品・空間・身体なども含む自由な表現 | 絵画や彫刻が中心。伝統的技法の革新 |
重視される点 | アイデアやコンセプト、問いかけ | 視覚的な美しさ、構成美、技術的革新 |
代表作家 | デュシャン、ウォーホル、草間彌生など | モネ、ピカソ、ダリなど |
「近代美術」は、ヨーロッパを中心に広がった芸術運動で、伝統的な絵画や彫刻の技法をもとに“美の革新”を目指した時代です。
一方「現代美術」は、戦後の混乱や社会の多様化を背景に、アートの定義そのものを問い直す動きとして登場しました。日常品を使ったり、身体や空間そのものを作品としたりと、表現の枠組みが大きく広がったことが大きな特徴です。
つまり、近代美術は“美や再現性を探求するアート”、現代美術は“問いを投げかけるアート”と言ってもいいかもしれません。

現代アートとモダンアートの違い
「モダンアート(Modern Art)」という言葉は日本語では「近代美術」のことを指し、先述の近代アートとほぼ同義で用いられます。
つまり「モダンアート」=近代美術、「現代アート」=現代美術と理解すると分かりやすいでしょう。
なぜ現代アートは「わかりにくい」と言われるの?
現代アートが「難解」「わかりにくい」と感じられがちな理由には、いくつかのポイントがあります。
理由1.見た目の美しさだけが目的ではないから
従来の美術は“宗教画”や“肖像画”のように分かりやすい題材や美的な描写が一般的。しかし現代アートは作品そのものよりも背後のアイデアや問題提起が重視されます。
鑑賞者は「これは何を意味しているんだろう?」と考えさせられる場面が多く、一見すると答えがわからない謎かけのように感じてしまうのです。
現代アートの多くは鑑賞者に問いを投げかける構造になっており、「なぜこの素材を使ったのか?」「何を表現しているのか?」と見る側に考えさせること自体が作品の狙いだったりします。
理由2.日常的な感覚では理解しづらい表現が多いから
例えばキャンバスに絵の具を垂らしたジャクソン・ポロックの抽象画や、バナナをテープで壁に貼り付けただけの作品が登場すると、「こんなの子どもでもできる」「ただの落書きでは?」と感じるかもしれません。
しかし現代アートでは「何を、どんなコンセプトで表現したか」が評価基準であり、技術的な巧拙だけで判断されません。
裏を返せば、アイデア次第で日用品でも身体でも何でも表現手段になりうるため、一見すると「何でもアリ」に見えて戸惑う人が多いのでしょう。
理由3.鑑賞者側の経験不足・文脈の理解不足
具象的な古典絵画であれば誰もが子供の頃から親しんでいます。しかし現代アート的な表現(抽象画やインスタレーションなど)は見慣れていない人にとって取っ付きにくいものです。
現代美術史や作家の背景知識がないまま突然作品を見ると、表面的な美しさだけでは評価できないため「理解できない…」と感じてしまいます。
実際には現代アートも決して何でもありのデタラメではなく、作品ごとに社会背景や作家の思想という「文脈」があります。それを知らないまま見ると意味不明に思えるのです。
理由4.あえて分かりにくくしている場合もある
現代アートの作家の中には、あえて見る人を困惑させることで「考えるきっかけ」を与えようとする人もいます。作品がすぐに理解できないもどかしさ自体が、鑑賞者に自問を促し、議論を生むよう計算されているのです。
「現代アートがよくわからないのは、『わからないようにつくられているから』」という指摘もあるほどで 、見る人に答えを委ねる参加型の芸術とも言えます。
知って得する“現代アートの楽しみ方”
初めて現代アートに触れると「どう鑑賞したらいいの?」と戸惑うかもしれません。ここでは、知っておくと現代アートがぐっと楽しくなる鑑賞のコツを紹介します。
自由な発想でOKなので、ぜひ気軽に試してみてください。
何が描かれているか細かく見る
現代アートを楽しむ第一歩は、作品をとにかくじっくり観察すること。ぱっと見ただけで理解しようとせず、表面的な印象だけでなく、
- 色彩
- 形状
- 素材
- 配置
- 目線の方向
- 鼻の形
など細部まで目を向けてみましょう 。彫刻の細部の造形、インスタレーション作品の隅々に至るまで観察すると、アーティストが込めた意図やメッセージに気づくことがあります。宝探しをするように細かく観察すると、最初は気付かなかった魅力に出会えるでしょう。
色の使い方を楽しんでみる
色彩に注目してみるのも現代アート鑑賞の楽しみ方の一つです。現代アートの作品は色の使い方がとても自由で、鮮やかな原色の組み合わせからモノトーンまで、その色選び自体にメッセージや感情が込められていることがあります。
例えば、草間彌生の水玉作品では黄色×黒や赤×白など強いコントラストの色が使われていますが、これは観る者の目を引きつけポジティブなエネルギーを感じさせる効果があります。
一方でマーク・ロスコのようにくすんだ色同士を重ねることで静かな瞑想的空気を生み出す作家もいます。
「なぜこの色なんだろう?」と想像しながら色を味わってみると、作品の感じ方が大きく変わります。難しく考えず、まずは自分の好きな色使いだな、派手で面白いな…と感じるところから始めてみてください。
作家を調べてみる
作品だけを見てもピンと来ないときは、その作家(アーティスト)について調べてみると新たな発見があります。
作家の経歴や制作背景、制作時の社会状況や文化的背景を知ることで、作品の意図やメッセージが一層明確になる可能性があります。
例えば村上隆の経歴を知れば、彼のポップな作品群が日本のサブカルチャーや戦後経済への問いかけでもあると理解できるでしょう。
作家のバックグラウンドを調べると作品への理解が格段に深まるので、「この作家、他にどんな作品作っているのかな?」「どういう思いでこれを作ったんだろう?」と興味が湧いたときはぜひ調べてみてください。
ギャラリストの解説を聞いてみる
ギャラリーや美術館で作品を観る際には、ギャラリストや学芸員などプロの解説を積極的に聞いてみるのもおすすめ。現代アートは作家の意図や作品の文脈を知ると面白さが倍増するため、展示担当者の説明を聞くことで「なるほど!」と腑に落ちることが多々あります。
「正直よく分からないのですが…」と尋ねれば、ヒントや見どころを教えてもらえるでしょう。現代アートはコミュニケーションを通じて楽しみが広がるジャンルでもあります。恥ずかしがらずに専門家の力を借りてみると、「難しい」と感じていた作品が途端に身近で面白いものに感じられるはずです。
有名な現代アート作家
現代アートの世界で活躍する有名なアーティストを紹介します。
まずは日本の代表的な現代美術作家3名、続いて海外の著名な現代アーティスト3名、さらに今特に注目を集めている新進気鋭の作家3名を見ていきましょう。
国内で有名な現代アート作家
草間 彌生(くさま やよい)
929年生まれ。水玉模様と反復モチーフで世界的に知られる日本を代表する現代アーティストです。代表作に、大きなカボチャの彫刻《かぼちゃ》や鏡張りの部屋に無数の電球を吊るした《Infinity Mirror Rooms》シリーズなどがあります。
鮮烈な黄色と黒の水玉で覆われた《かぼちゃ》は彼女のトレードマークであり、幼少期からの幻覚体験や強迫観念を昇華したモチーフだといわれます 。国内外で多数の賞を受賞しており、2000年に芸術選奨文部大臣賞、2003年にフランス芸術文化勲章オフィシエ、2006年に高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)などを受章、2016年には文化勲章を受けています。
村上 隆(むらかみ たかし)
– 1962年生まれ。日本の現代アートを語る上で欠かせないジャパニーズ・ポップアートの第一人者です。アニメや漫画的なモチーフを用いた「スーパーフラット」という独自の理論・スタイルを提唱し、日本のサブカルチャーと美術を融合させた作品を数多く発表しています。
代表作はカラフルな笑顔の花が無数に描かれた「お花」シリーズで、見る者にポジティブな感情を呼び起こすポップな作風が特徴です。他にもオリジナルキャラクター「DOB君」や巨大な彫刻作品《お花の親子》など、絵画からフィギュア、アニメ映画まで幅広く制作しています。
村上隆は国内外で評価が高く、2008年には米『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出、文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞(2006年)や芸術選奨文部科学大臣賞(2016年)なども受賞しています 。ルイ・ヴィトンとのコラボレーションなどアートと商業の垣根を超えた活動でも知られ、作品がオークションで高額落札されるアーティストの一人です。
奈良 美智(なら よしとも)
– 1959年生まれ。大きな瞳を持つ子どもの絵で世界的に人気を博す現代美術家。奈良美智の描く少女像は一見可愛らしいようでいてどこか反抗的・挑発的な表情をたたえており、見る者の想像力をかき立てます。
代表作「ナイフ・ビハインド・バック(Knife Behind Back)」では背中にナイフを隠し持つ少女が描かれており、子どもの純粋さと内に秘めた攻撃性という二面性が表現されています。この作品は2019年のサザビーズ香港オークションで約2,500万ドル(当時約27億円)で落札され、奈良の作品として史上最高額を記録しました。
どこか孤独や怒りを感じさせる子どもの姿は観る人の共感を呼び、世界中に多くのファンやコレクターを生んでいます。奈良自身、70年代のパンク音楽や絵本から影響を受けており、そのシンプルで力強い線と色彩からは鑑賞者それぞれが物語を読み取れる奥深さが感じられます。
海外で有名な現代アート作家
マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)
–1887年生まれ・1968年没。フランス出身で20世紀現代アートの礎を築いた伝説的な芸術家です。既製品を作品として提示する「レディメイド」手法を考案し、美術の概念を根底から覆しました。代表作《泉 (Fountain)》は男性用便器に「R.Mutt」という署名をしただけの作品ですが、1917年当時に展示団体から「これは芸術ではない」と拒絶され大論争を巻き起こしました。
しかし現在では「作者が選べば何でも芸術になり得る」という思想を示した革命的作品と評価され 、2004年の美術専門家投票で「20世紀で最も影響力のあるアート作品」に選出されています。
彼の功績により「芸術とは目に見える対象だけでなく、発想やコンセプトそのものだ」という考えが浸透し、美術の幅が飛躍的に広がりました。デュシャン自身はチェスに没頭した晩年を送りましたが、その影響はポップアートから今日の現代アートまで色濃く残っています。
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)
1928年生まれ・1987年没。アメリカ出身で、ポップアートの象徴的存在です。キャンベルスープの缶やマリリン・モンローの肖像など、大量生産・大量消費社会をテーマに作品化し、美術と大衆文化の境界を融解させました。
代表作「マリリン・ディプティック」は女優マリリン・モンローの顔をシルクスクリーンで20枚反復印刷した作品で、メディア時代の偶像消費を表現した名作。2022年には「ショット・セージブルー・マリリン」が約1億9500万ドル(約253億円)で落札され、20世紀美術作品として史上最高額を記録。
作品には明るい色彩とクールな反復技法でセレブリティ文化や大量生産への風刺が込められており、ポップでありながら社会への問いかけを孕む点がウォーホル芸術の魅力です。
バンクシー(Banksy)
生年非公開(1970年代生まれ説あり)。イギリスを拠点に活動する匿名のストリートアーティストで、現代アート界で最も有名なグラフィティ・アーティストの一人です。社会風刺的な stencil(ステンシル)技法のストリートアートを各地の壁面にゲリラ的に描き、正体を明かさぬまま世界的注目を集めています。
代表作「少女と風船 (Girl with Balloon)」は、赤いハート形の風船に手を伸ばす少女を描いたシンプルなグラフィティで、希望や純粋さの象徴として多くの人の心を捉えています。
現代の社会問題や政治批判をユーモアと皮肉で表現するバンクシーの作風は、アートに馴染みのない層にも強い訴求力があり、まさに“現代アートは社会へのメッセージ”であることを体現するアーティストといえるでしょう。
今注目の現代アート作家も紹介!
最後に、現在特に注目を集めている現代アート作家3人を紹介します。新しい技術や発想でアート界を賑わせている要注目のアーティスト達です。
ビープル(Beeple、本名マイク・ウィンケルマン)
1981年生まれ・アメリカ出身。デジタルアートとNFT(非代替性トークン)ブームの立役者として一躍有名になりました。
ビープルは毎日1点ずつCGアートを制作・発表する「Everydays」というプロジェクトを13年以上続けており、その集大成として5,000日分の作品をコラージュしたデジタル作品「Everydays: The First 5000 Days」を2021年にNFTアートとしてクリスティーズでオークション出品しました。
この作品が約6,930万ドル(約75億円)で落札され 、NFTアートの史上最高額記録を打ち立てるとともに「史上3番目に価値の高い存命アーティスト」と報じられました 。このニュースは美術界のみならず一般ニュースとしても大きく取り上げられ、ビープルはデジタル時代の新星として脚光を浴びます。
ミスター・ドゥードゥル(Mr. Doodle、本名サム・コックス)
1994年生まれ・イギリス出身。白黒のポップな“落書き”で世界中を魅了する新進アーティストです。キャンバスから家具、果ては自宅の内外装に至るまで、あらゆるものをユーモラスなキャラクターや模様の手描きドローイングで埋め尽くすスタイルが特徴。
インスタグラムなどのSNSで人気に火が付き、フォロワーは数百万人規模に上 。作品は見る人をハッピーにするポップさが魅力で、2019年の「アートフェア東京」では出品作(1点15万~280万円)が即完売するほどの注目ぶりでした。
オークションでも高値が付き、東京中央オークションで彼の絵画「Spring」が約100万ドル弱で落札されたのが最高記録となっています。これは30歳未満の若手作家として異例の価格で、2020年には「オークションで成功した40歳未満作家」の世界5位にランクインしました。
ここがおすすめ!現代アートを楽しめる場所
現代アートの魅力を存分に味わいたいなら、実際に作品が集まる場に足を運ぶのが一番です。日本国内には現代美術の名作を所蔵する美術館や、最新のアートが集まるアートフェアが多数あります。その中から厳選して、現代アートを満喫できるおすすめスポットを紹介します。公式サイトの情報も参考に、是非訪れてみてください。
美術館
東京都現代美術館(Museum of Contemporary Art Tokyo)
– 東京・清澄白河にある大型美術館。1995年3月に開館した日本有数の現代美術専門館で、約6,000点の収蔵作品を活かし現代美術の流れを展望できるコレクション展や大規模な国際展など多彩な展覧会を開催しています。
絵画・彫刻からファッション・建築・デザインに至るまで幅広いジャンルの現代アートを網羅し、草間彌生や村上隆など国内外アーティストの企画展も充実しています。都内屈指の展示規模を誇り、カフェやミュージアムショップも併設。最新の現代アートシーンに触れられる発信拠点です。
東京国立近代美術館(MOMAT)
東京・竹橋にある日本初の国立美術館で、19世紀末から今日までの日本美術の流れを概観できる大規模コレクションを誇ります 。明治以降の近代美術(モダンアート)から現代美術まで網羅し、黒田清輝や横山大観といった近代画家から、草間彌生や李禹煥など戦後現代美術家の重要作品まで約13,000点を収蔵。
近代美術館という名称ですが戦後〜現代の作品も多く、モダンとコンテンポラリー両方楽しめます。皇居北の丸公園に隣接した静かな環境で、美術図書室やフィルムセンター(近代映画専門館)も併設。所蔵品ギャラリーは企画展開催時以外は月曜以外毎日開館し常時200点超を展示しており、じっくり現代美術史を俯瞰できます 。
福岡アジア美術館
福岡市にある世界でも珍しいアジア近現代美術専門の美術館です。アジア各国の現代美術作品を系統的に収集・展示することを目的に1999年開館し、アジアの近現代美術作品を体系的に収集・展示する世界唯一の美術館として知られています。
所蔵品はアジア23か国・地域の作家による約3000点以上に及び、絵画・彫刻のみならず写真やインスタレーションなど多彩。アジアの若手作家を招聘するレジデンス・プログラムなど交流事業も活発で、「ここでしか出会えないアジアの現代アート」に触れられる場です。
常設展ではタイやインド、韓国や中国など各国の代表作家の作品を通じてアジア美術の流れを紹介しています。福岡という国際交流都市ならではのユニークな美術館で、海外からの観光客にも人気です。
中村キース・ヘリング美術館
山梨県北杜市(清里高原)にある、世界で唯一のキース・ヘリング専門美術館。1980年代ニューヨークで活躍したストリートアートの伝説的作家キース・ヘリングの作品を収蔵・展示しています。
館長の中村和男氏が収集したコレクションを公開する目的で2007年開館し、「闇から希望へ」というコンセプトのもとヘリングの作品と深く向き合い対話できる美術館です。
ポップでカラフルなヘリング作品(代表的な「ラジエント・ベビー(光る赤ん坊)」や「バークリング・ドッグ(吠える犬)」など)を常設展示する他、企画展やワークショップも開催。建物自体もスタイリッシュで、高原の自然に囲まれたロケーションも相まってアートと自然が融合する空間になっています。
金沢21世紀美術館
石川県金沢市にある現代アートの美術館。2004年開館以来、「新しい文化の創造」と「まちの賑わい創出」を目的に運営されてきた施設で 、話題性の高い展覧会やユニークな恒久展示で全国的に有名です。
建物は円形ガラス張りで開放的、誰もがいつでも立ち寄れる「公園のような美術館」をコンセプトにしています。恒久展示作品としてレアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》が有名で、本物の水を張ったプールの下に入って下から見上げるという不思議な体験ができます。
また年数回の大型企画展では国内外の最先端アートを紹介し、地域発のプロジェクトや子供向けプログラムも充実。現代アートを通じて新たな出会いと交流を生み出す場として、国内随一の人気を誇ります。
アートフェア
アートフェア東京(Art Fair Tokyo)
毎年春に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催される日本最大級の国際アート見本市です。2005年から開催されている日本最大かつアジア最古級のアートフェアであり、日本および世界の優れたアートギャラリーが一堂に会する場となっています。
絵画・彫刻などの美術作品から工芸やアンティークまで幅広いジャンルの作品が売買され、近年は現代アートを楽しめるイベント。最新回(2025年)は海外含め100以上のギャラリーが参加し、数千点の作品が展示販売されました。
来場者も数万人規模で、国内外のコレクターやキュレーター、アートファンが集まるイベントです。価格数万円の版画から数億円の絵画まで並ぶ光景は壮観で、「アートの現在」が体感できます。
UNKNOWN ASIA(アンノウン・アジア)
大阪で毎年開催されている国際色豊かなアートフェア。2015年に始まり、日本とアジア各国から若手アーティストが大阪に集うアーティスト主体のフェアとして年々規模を拡大してきました。
出展者は公募で選ばれた新進アーティストたちで、各ブースで直接作品を展示・販売します。審査員やレビュアーによる賞の授与があり、才能発掘の場にもなっています。
開催当初からの延べ参加アーティスト数は1,500組を超え、来場者も年1万人以上と西日本最大級のアートフェアとして認知が高まっています。
特徴は何と言っても作家との距離が近いこと。気に入った作品の作家とその場で話しながら購入できるため、若手の生の声を聞けます。大阪の地元企業・団体も協賛し、ライブペイントや音楽イベントなども交えてクリエイティブな交流の熱気に溢れるフェアです。
ART FAIR ASIA FUKUOKA(アートフェアアジア福岡)
九州最大のアートフェアで、福岡市で毎年秋に開催されています。「アジア」をコンセプトに掲げ、日本とアジアを結ぶ交流都市・福岡で2015年から始まった国際アートフェア。年々規模が拡大し、2025年には記念すべき第10回を迎えました。
会場はマリンメッセ福岡B館という広大な展示ホールで、5,000㎡の空間に国内外100以上のギャラリーや団体が参加し、これまでにない規模の交流が生まれています。2024年(第9回)は4日間で1万人超を動員し、総売上高約2億8,000万円を記録するなど西日本屈指のマーケットとなりました。
若手作家の公募展「AFAFアワード」や企業・学校とのコラボ出展など企画も多彩で、新人から著名作家まで幅広いアートが楽しめます。
Art Collaboration Kyoto(アート・コラボレーション・京都、ACK)
京都府主催で2021年に始まった新しいアートフェア。「現代アートとコラボレーション」をテーマに京都で開催するアートフェアで、現代アートに特化したアートフェアとしては日本最大級の規模を誇ります 。
特徴は日本と海外のギャラリーがペアを組んで合同出展するなど様々な協働(コラボ)を重視している点です。京都国際会館を中心に、歴史ある京都で最先端アートを発信する試みとして注目されています。
2023年の開催では国内外18の国・地域から多数のギャラリーが参加し、展示・トークイベント・市民向けプログラムなど多彩な内容でした。「コラボレーションから生まれる新しい価値」を体現するアートフェアとして評価が高く、今後さらに発展が期待されます。
現代アートに関するよくある質問
最後に、現代アートについて初心者が疑問に思いがちなポイントをQ&A形式で解説します。
現代アートは誰でも描ける?
「現代アートって適当な絵でもアートになるんでしょ?素人でも描けるのでは?」と思う方もいるかもしれません。結論から言えば、「誰でも作品を作ることはできるが、誰もが評価されるわけではない」です。
一見するとシンプルな抽象画や奇抜なインスタレーションを見ると「自分にも出来そう」と感じるかもしれませんが、現代アートで重視されるのは「何を表現したか」「どんなコンセプトがあるか」といった部分です。
技術的な巧拙よりアイデアが鍵となるので、一見子供の落書きのようでも、そこに至る発想や文脈が独創的であれば立派な芸術作品になります。
現代アートって何でもありなの?
現代アートは「何でもアリ」と言われることがありますが、厳密には「素材や表現形式は何でもOKだが、何をしても良いわけではない」でしょう。
確かに現代美術では、絵の具や石だけでなく、日用品・廃材・デジタル映像・身体動作などあらゆるものが作品の素材になり得ます。また手法も、描く・彫るに限らず、貼る・並べる・写す・演じるなど自由自在です。伝統的なルールに縛られず、作家が「これも芸術だ」と提示すれば、それが芸術として受け止められます。
しかし現代アートにも文脈や評価軸があります。作家が何か作品を発表したとき、美術の専門家や観客は「それがどんな意味や新規性を持つのか」を見ています。つまり「表現手段は何でもありだが、意図が何もなければただの何でもない物」になってしまうのです。
「何でもあり」に見えて、実は作家ごとに一貫したテーマや問題意識があり、それに沿って最適な手段を選んでいるとも。自由だからこそ作家の力量が試される厳しい世界ともいえるでしょう。
現代アートを学べる本は?
現代アートに興味が湧いてきたら、ぜひ関連書籍で理解を深めてみましょう。初心者にもおすすめの本をいくつか紹介します。
『現代アートはすごい デュシャンから最果タヒまで』布施英利著(ポプラ社)
芸術学者で批評家の布施英利氏が、現代アートの魅力と楽しみ方を平易に解説した入門書です。デュシャンなど古典的名作から近年注目の若手(詩人・最果タヒとのコラボ作品まで)幅広いアーティストを取り上げ、「なぜ現代アートは面白いのか」を具体的に教えてくれます。
「難解そうに見える現代美術は実は小学生でも楽しめる」と謳っており、専門知識がなくてもスラスラ読めて現代アートへの苦手意識がなくなる一冊です。
『13歳からのアート思考』末永幸歩著(ダイヤモンド社)
美術教員でもある著者が、美術鑑賞のコツを中学生向けに説いた本です。タイトルは13歳からとなっていますが、大人にも美術鑑賞の新しい視点を与えてくれる内容で、現代アートを鑑賞するときの「アート思考」を鍛えるのに役立ちます。
具体的な現代アート作品を題材に、「感じたことを言葉にする→考えを巡らせる→自分なりの答えを出す」というプロセスを紹介しており、現代アート鑑賞の実践的なガイドになります。美術鑑賞初心者にも優しく、ワークブックのように楽しめるでしょう。
まとめ:現代アートとは発想を表現する自由な芸術
20世紀後半以降、表現の枠を取り払い多様なスタイルで登場した現代アートは、固定観念にとらわれずアーティストが問いを投げかける場となりました。
絵画・彫刻に限らず写真・映像・パフォーマンスなどあらゆる形態で表現され、そこには現代社会を映す鏡や、私たち鑑賞者へのメッセージが込められています。
正解のない問いを楽しみ、感じたままに解釈できるのが現代アートの魅力です 。ぜひ先入観を捨てて作品と向き合い、自分なりの感じ方で現代アートの面白さを味わってみてください。
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