絵は描けた。けれど、どこで・いくらで・どうやって売ればいいのか分からない——多くの方がこの壁で足が止まります。
本記事では、初心者でも今日から動けるように「販売方法」「始める前の準備」「失敗しないコツ」「収益の見通し」を順番に解説します。
BASEやminneといった定番チャネルの選び方、写真・説明文・価格・梱包の要点、著作権や確定申告の基礎までを一緒に見ていきましょう。
アート作品を販売したい人が最初に知るべきこと
まずは「何があれば始められるのか」を把握することが近道です。高価な設備よりも、正しい手順と最低限のスキルが重要。
資格の有無、必要な準備、守るべきルールを先に押さえておけば、迷いが減り、最初の1件に最短で届きます。ここでは“今日から動くための前提”を整理します。
誰でも作品販売はできる?必要なスキルや資格
結論から言うと、資格は不要です。個人でも作品販売は可能。ただし、著作権・商標などの基本的なルールを守ることと、最低限の運営スキルが必要になります。
必要スキルは次の6つに集約できます。
- 作品を正しく魅せる力:スマホでもOK。自然光で撮る/全体・拡大・使用イメージの3枚を揃える。
- 商品説明の文章力:サイズ・素材・制作意図・お届け内容・注意点を箇条書きで。主観形容詞より事実情報を。
- 価格設計:原価(画材・印刷・額装・梱包・送料)+手数料+利益を足し、赤字を出さない最低価格を決める。
- 梱包・発送:破損リスクを想定した二重保護、追跡可の配送を基本に。
- コミュニケーション:質問への迅速・丁寧な返信、納期連絡、レビュー依頼。
- IT・会計の基礎:ECの操作、売上と経費の記録。継続収入になったら税務の確認。
届け出は原則、始める時点で必須ではありませんが、継続的に販売して所得が出るなら開業や確定申告の検討が必要になります(詳細は後半の「税金・確定申告」で解説)。
- ①プロフィールと作家名
- ②10点前後の作品写真
- ③作品リストと価格表
- ④発送資材の型
- ⑤購入規約テンプレ(返品・キャンセル方針)
——この5点が揃えば、初回出品の準備は整います。
作品販売を始める人の主なきっかけ
はじめる理由はさまざまですが、実は多くが次の5つに収まります。
- ①副収入を得たい
- ②第三者の評価やフィードバックが欲しい
- ③在庫(原画・プリント)を現金化したい
- ④ファンを増やして活動を広げたい
- ⑤受注制作や企業案件の入口にしたい。
目的が違えば選ぶ販路やKPIも変わります。収益重視なら単価と回転、ファンづくり重視なら露出と接点数をKPIに設定しましょう。
作品版版に関するよくある不安(お金・集客・著作権)
一方で、最初にぶつかる不安は「お金」「集客」「著作権」に集中します。
- お金(価格・赤字の怖さ):原価(画材・印刷・額装・梱包・送料)+販売手数料+目標利益=最低価格。まずはこの式で“赤字にならないライン”を決め、そこから限定数や額装の有無で上乗せします。売れ行きは「点数×露出×訴求」で決まるため、単価だけで悩み続けないのがコツです。
- 集客(見られない・届かない):出品前に“導線”を先に用意。プロフィール→ポートフォリオ→購入ページの3点を固定。初月はKPIを「出品10点・週3投稿・ストーリーズ週5・レビュー3件獲得」に置き、露出の母数を増やします。
- 著作権(盗用・二次創作の線引き):基本はオリジナルのみ。二次創作や有名人の肖像はルールが厳格です。公開画像は必要十分な解像度に抑え、販売ページに「無断転載・二次利用禁止」「商用利用の可否」を明記。依頼やコラボは権利関係を簡易契約で残すのが安全です。
最初の1か月は「基礎を整え、露出を増やし、レビューを集める」フェーズと割り切りましょう。成果が見えにくい時期でも、出品点数・閲覧数・保存数・フォロー数を毎週記録すれば、次の打ち手が明確になります。
アート作品の販売方法【初心者向け】
まずは“どの土俵で売るか”を決めるのが近道です。大きく分けて、以下の3通りが考えられます
- ①自分の店(ネットショップ)で売る
- ②仲介サービスで売る
- ③SNSや対面で直接売る
ブランディングや価格自由度を重視するなら自店、有利な集客導線を借りたいなら仲介、ファンづくりや熱量を活かすならSNS/対面が強みになります。順に、はじめやすい手順から解説します。
ネットショップを開設する(BASE・STORES)
最初の一歩として、自分の“公式ストア”を持つ方法です。作品世界観をそのまま店づくりに反映でき、価格・在庫・セット販売・期間限定の設計も自由。顧客情報を蓄積できるため、二回目以降の案内や限定リリースでリピーター化を狙えます。
一方で、集客は自力が基本となり、撮影・商品説明・配送・サポートまで一連の運営が必要。短期で爆発的に売るより、中長期で“店とファン”を育てる戦略と相性が良い方法です。BASE/STORESはテンプレートが豊富で設定も平易。まずは1カテゴリ・3商品程度から始め、在庫と導線の運用感覚を掴みましょう。
はじめ方・費用・向いている人
- 作品ラインを決める:原画/プリント/グッズの比率、限定数の有無を整理。
- アカウント作成:ショップ名・ロゴ・配送元情報・ドメインを設定。
- 商品登録:タイトル・サイズ・素材・制作意図・同梱物・注意点を明記。写真は「全体/部分/設置イメージ」を基本の3枚以上。
- ルール整備:送料表、返品・キャンセル、著作権・二次利用の可否を“購入規約”に明文化。
- 動線づくり:プロフィール→ポートフォリオ→商品ページ→決済の導線を固定し、SNS固定リンクに設定。
向いている:世界観やブランドを育てたい人、限定版やセット販売で単価設計したい人、リピーター基盤を作りたい人。
向いていない:短期で“まず売れた実績”を作りたい人、運営に割ける時間が極小な人(この場合は後述の仲介サービスから開始)。
初期費用はゼロから始められる場合が多いものの、販売時には決済やオプションに伴うコストが発生します。チェックすべきは、①決済関連、②プラットフォーム利用、③送料・梱包材、④ドメインやデザイン拡張の任意費用。
まずは原価+手数料+利益で最低価格を決め、送料赤字を避けるため重量・サイズ別の送料表を準備しましょう。
ハンドメイドマーケットを利用する(minne・Creema)
自店の集客に自信がない序盤は、既に人が集まっている“場”を借りるのが近道です。minne・Creema は検索導線や特集、レビュー機能が整っており、はじめての1件を作りやすい環境。反面、作品数が多く「埋もれやすい」「価格比較されやすい」という宿命もあります。
- サイズ感:飾りやすい小~中型(はがき〜A4程度)が初動で動きやすい。
- 価格帯:まずは“試し買い”されやすいミドルレンジを主軸に、限定版/直筆サインで上位価格を用意。
- 用途軸:ギフト対応(ラッピング・メッセージカード)、引っ越し・新生活・季節イベントは需要が読みやすい。
- 見つけてもらう工夫:タグは素材・技法・モチーフ・色・テイスト・設置場所で最大化。新作は週2回の時刻固定で投入し、露出タイミングを学習。
- アルゴリズム対策:出品直後48時間は価格調整せずに閲覧・お気に入りを集め、在庫切れ放置を避ける(再入荷通知を活かす)。
出品ルール・手数料
- 権利関係:オリジナルが原則。二次創作・肖像の扱いは各プラットフォームの規約を厳守。商品ページに「商用利用の可否/データの二次利用不可」を明文化。
- ページ品質:実物に近い色味・サイズ表記(縦横厚み・重さ)・同梱物・取扱い注意(耐光性・耐水性)・納期を明記。
- 取引:受注制作は制作日数を記載し、校正回数や修正範囲を事前合意。キャンセル・返品条件は**“到着後○日”**の期限を設定。
- 禁止事項の確認:ブランドロゴの無断使用、医療的効能の断定表現、危険物素材、転載目的のデータ配布などは不可。
実質コストは〈販売手数料+決済手数料+振込手数料(+有料オプション)〉で構成されます。以下の計算式で、適切な料金を考えましょう。
最低価格 = 原価(画材・印刷・額装・梱包・送料)+手数料合計+必要利益
送料赤字を避けるため、サイズ・重量別の送料表を事前に用意し、額装の有無で価格差を設計しましょう。
フリマアプリ・オークション(メルカリ・ヤフオク)
「まず売れた実績」を作りたい時に有効です。既に買い手が集まっている場で、露出が得やすいのが強み。匿名配送やコンビニ発送も使え、最小装備で始められます。反面、価格競争とスピード対応が前提。世界観よりも「写真・価格・発送の速さ」が購入動機になります。メルカリは即決型に強く、ヤフオクは入札・終了時刻の設計で伸ばせます。
低単価・回転重視の戦い方
狙いは“早く・薄利で・数を回す”こと。 そのために、設計をテンプレ化することが大切です。
- 再生産できる品を主軸にする(小型プリントやグッズ)。
- 単価は客単価1,500〜3,000円帯に寄せ、まとめ買い割で客単価を底上げ。
- バリエは「モチーフ違い×3」「サイズ違い×2」を用意し、回転を上げる。
実店舗・ギャラリーで委託販売する
質感・サイズ感・額装の良さは、実物でこそ伝わります。実店舗やギャラリーへの委託は、その“体験価値”を武器にできる方法です。世界観を空間で提示でき、単価も上げやすい一方で、搬入出や在庫管理、手数料などの負担が生じます。始め方はシンプルです。
まず客層・価格帯・テイストが合う店を絞り込み、ポートフォリオ・価格表・在庫リストを用意。面談で条件を確認し、展示点数・額装・在廊日の計画を詰めます。会期中はSNS告知、QR付きカード配布、ミニイベントで接点を増やすと、購買率が安定します。支払いサイトや破損時の扱いは、必ず契約で明確にいたしましょう。
委託契約チェック項目
- 方式:委託/スペースレンタルの別、会期・最低出品数。
- 価格と割引権限:誰がどこまで調整可能か。
- 手数料の算出方法と消費税の扱い(内税・外税)。
- 支払いサイト:締め日から入金までの日数、振込手数料の負担。
- 破損・盗難時の責任範囲と保険の有無。
- 返品・クレーム時の窓口と対応フロー。
- 作品撮影・SNS掲載の可否、画像の二次利用範囲。
- オンライン併売の可否、地域・期間の独占条項。
- 納品・返却方法、在庫表記・タグの統一ルール。
SNSを活用して直接販売する
“世界観=資産”。SNS直販は、作品の背景や制作過程まで含めて伝えられるのが最大の強みです。とくにInstagramは発見→保存→DMの導線が短く、初速を作りやすい手段。売る前提で設計するコツは3つです。
- ①展示ではなく店舗として運用(在庫・価格・購入方法を常時明記)
- ②投稿の役割分担(作品=カタログ、制作=信頼、日常=人柄、告知=販売)
- ③3タップ以内で決済へ(プロフィールのリンクから“在庫一覧”に直行)。
販売告知は“数量・価格・発送予定・支払方法”を1枚目で完結させ、ストーリーズと固定投稿で重ねて見せます。初月は「週3投稿+リール1本+ストーリーズ5日/週」を目安に、保存・プロフィールアクセス・DM件数をKPIとして追いましょう。
導線設計(プロフィール→ポートフォリオ→決済)例
プロフィール:一行USP(作風×用途)+「在庫はこちら」CTA。ハイライトに《在庫》《価格表》《購入ガイド》《レビュー》を常設。
ポートフォリオ(固定投稿3本):
・①《在庫一覧》:サムネに価格帯/サイズ表記。本文に在庫番号。
・②《購入方法》:支払手段・発送日・返品方針・著作権/二次利用の可否。
・③《作家紹介》:制作テーマ・得意サイズ・受注可否・実績。
決済:プロフィールリンクは**在庫一覧(カート付)**へ直通。1商品=1LPで写真(全体/質感/設置)+サイズ・素材・同梱物・注意点を明記。
販売を始める前の準備
出品の前に「土台」を整えます。土台とは、誰に・何を・いくらで・どんな体験で届けるかの設計です。ここが曖昧だと、写真や価格がぶれます。
まずはプロフィールとブランドの芯を固め、商品ページの共通ルールを決めます。次に撮影・価格・梱包を標準化します。小さな店でも、同じ型で回すと品質が安定します。
プロフィール・ブランドコンセプトを整える
最初に決めるのは「一言で何者か」です。作家名+タグラインで役割を示します。ターゲット、作風、用途を短く言語化しましょう。プロフィールは信頼情報→世界観→購入導線の順に配置します。
- タグライン:作風×用途を一行で。
例)「余白と光で暮らしを整える抽象画」。 - ペルソナ:誰のどんな壁を解決するか。
例)賃貸の白壁に合う、小さめサイズ中心。 - 作品軸:モチーフ・技法・色・サイズ帯・価格帯。
- 使用シーン:玄関・ワークスペース・寝室など。
- 提供形態:原画/プリント/受注制作の比率。
- 約束ごと:納期、再販有無、サイン、限定数の方針。
- 購入導線:在庫一覧、決済手段、返品規約の位置。
- 冒頭:タグライン+作家名。
- 本文:制作テーマ、得意サイズ、素材、ケア方法。
- 信頼:受賞・展示・掲載実績(無ければ制作年数)。
- 案内:在庫一覧リンク、受注可否、納期の目安。
- 規約:二次利用不可、商用利用の可否、返品条件。
作品撮影と魅力的な商品ページの作り方
次は「見せ方」で差をつけましょう。写真は品質そのものの代理人。商品ページは“買う決心”を後押しする舞台です。最小装備で構いませんが、型だけは外さないのが近道です。
- 自然光+白背景:午前〜昼の窓際。直射は避け、薄いレースorトレーシングペーパーで拡散。
- 水平・歪み補正:額縁の四辺が平行に見える位置から。スマホのグリッド必須。
- 色再現:白い紙を1枚入れてホワイトバランスを整える。レタッチは“実物に近づける”範囲に留めます。
- 粒度と質感:F値固定できない場合は明るい場所で。質感は斜め45度からのライトで浮かびます。
- サイズ感の伝達:手に持つ/壁に掛ける/A4紙との比較など「相対物」を必ず1枚。
- 正面全体(額あり/なし両方あれば理想)
- 斜め45度(厚み・エッジ)
- テクスチャ接写(筆致・紙目・光沢)
- 背面・サイン・吊り金具
- スケール比較(手・定規・A4)
- 設置イメージ(壁・デスク上・玄関など)
- ヒーロー領域:作品名・価格・「カートに入れる」ボタン。1行USPを添える(例:余白と光で空間を整える抽象画)。
- ギャラリー:必須6枚の順番を固定(全体→質感→裏面→スケール→設置)。
- 仕様ブロック:サイズ(縦×横×厚み/重さ)/素材・技法/制作年/付属品(額・吊り金具)/エディション/サイン有無。
- 説明文:制作意図は短く、設置提案を具体化(“デスク上/寝室の間接光に合います”)。
- 配送・納期:発送までの日数、追跡の有無、梱包方法。
- 規約:返品条件、色味差・二次利用不可・商用可否。
- レビュー/FAQ:不安を潰すQ&Aを下部に常設。
- 追尾CTA:スマホでは下部に常時「購入」ボタンを表示。
価格設定の考え方(原価+利益+市場感覚)
価格は「赤字を出さない最低ライン」→「買われる現実的ライン」→「ブランドを育てる理想ライン」の三段で設計します
- 材料費:画材・用紙・キャンバス・インク・額装。
- 変動費:プリント外注/梱包材/送料見込み。
- 販売費:プラットフォーム手数料・決済手数料・振込手数料。
- 人件費相当:制作時間×時給の目安。受注制作は必須。
→「総原価=材料+変動+販売+人件費相当」
- 最低価格 = 総原価 + 必要利益(目標粗利)。
- 送料込/別の両パターンで計算し、送料赤字をゼロに。
- 額装の有無で価格差を必ず付ける。
- 近しいサイズ・技法・作家層の相場帯を3〜5点確認。
- 初動は「相場帯の中央値±10%」に寄せ、在庫回転を優先。
- 反応が良ければ小刻みに値上げ(例:1,000〜2,000円ずつ)。
- 入門:ポストカード/小型プリント(試し買い用)。
- 中核:A4〜F4原画・限定プリント(主売上)。
- 上位:一点物の中〜大型、額装・サイン・エディション付。
→ 客単価の上限を用意し、値引きに頼らない。
- 枚数・サイン・証明書で希少性を可視化。
- 同一モチーフのサイズ違いで価格帯を分ける。
- 再販方針を明記(再版しない/色違いのみ等)。
梱包・発送で気をつけるポイント
作品は“商品”である前に“作品”です。破損は信頼を一瞬で損ないます。基本は防水+耐折れ+耐衝撃の二重保護、そして追跡・対面渡し。素材やサイズに合わせて“型”を作り、毎回同じ手順で安定させましょう。
- 防水:グラシン紙→OPP袋で水気遮断。
- 耐折れ:硬質台紙で“サンドイッチ”。四隅にコーナーガード。
- 耐衝撃:内箱+外箱の二重箱か、内側に緩衝材でガタつきゼロ。
- 面保護:作品面と梱包材が直接触れないよう“当て紙”を挟む。
- 表示:「取扱注意」「折曲厳禁」「天地無用」を外装に明記。
【必読】収益シミュレーションと目標設定
売れたのに赤字——この落とし穴は“数式で設計”すれば避けられます。ここでは、原価の棚卸し→手数料の把握→価格モデル→損益分岐点→ケース別プランの順で、目標月収を「必要販売数」に変換します。数字が決まれば、撮影や投稿頻度などの行動も迷いません。
原価の棚卸しテンプレ(画材・印刷・額装・梱包・送料)
A. 作品そのもの
- 材料:キャンバス/紙/インク・絵具/ニス・フィキサチフ
- 外注:プリント/額装/証明書印刷(台紙)
- 付属:額・マット・吊り金具・サインペン
B. 梱包・配送
- 梱包材:グラシン紙・OPP・緩衝材・角当て・内箱・外箱
- ラベル等:封緘・注意表示・納品書
- 送料:サイズ・重量別の想定(追跡・補償の有無)
C. 販売に伴うコスト
- プラットフォーム手数料(販売+決済+振込)
- ドメイン/有料テーマ等(該当時)
D. 人件費相当(必ず入れる)
- 制作時間×時給目安/梱包時間×時給目安
E. 按分する間接費(任意)
- ソフト(Photoshop等)/電気・家賃の作業スペース按分/撮影小物/広告
F. 予備費
- 破損・返品リスクのバッファ(例:販売価格の1〜3%)
計算式(1点あたりの総原価)
総原価 = A+B+C+D+(Eの月額÷月の販売見込み点数)+F
まずは手数料以外の小計を出し、のちほど「販売価格に対する%」を乗せて調整しましょう。
手数料の比較早見(BASE/minne/Creema/メルカリ など)
価格設計の“④手数料率”を決めるために、主要プラットフォームの最新公表値を確認します。最終計算前に必ず公式の料金ページで再チェックしてください。
プラットフォーム | 手数料(主) | 補足 |
---|---|---|
BASE(スタンダード) | 決済 3.6% + 40円 + サービス 3% | Amazon Pay/PayPal は+1%加算。グロース(有料)なら決済2.9%・サービス0%。(BASE (ベイス) | ネットショップを無料で簡単に作成) |
minne | 10.89%(minne PLUS会員は 10.56%) | 注文金額(作品+オプション+送料)に対して発生。月次振込時に差引。(minne) |
Creema | 作品・素材 11% | フードは15.4%。台湾/香港サイトは21%+取引毎42円、振込手数料176/275円(条件あり)。(Creema) |
メルカリ(個人間) | 10% | 取引完了時に販売価格から差引。(メルカリ 日本最大のフリマサービス) |
メルカリShops | 10% | 振込1回につき200円。送料の扱いにより計算基準が変動。(メルカリShops) |
アート作品販売で成功するコツ
ここからは“見られた”を“買われた”に変える要所を押さえます。鍵は、①世界観の伝達、②関係づくり、③社会的証明、④信頼(ルールとお金)の透明化。
同じ作風でも、この4点の積み上げで売れ行きが大きく変わります。
写真やキャプションで「世界観」を伝える
写真は作品そのものの延長です。背景・光・構図を毎回同じトーンに揃え、一覧で“あなたの店”だと判別できる状態を作ります。
1枚目は正面・余白広め・色味正確を貫き、2枚目以降で質感や設置イメージを補完。キャプションは事実→用途→限定性の順が効果的です。
H3 SNSでファンを増やしリピーターを獲得する
SNSは展示会+顧客台帳だと捉えます。投稿は役割分担で回しましょう。作品=カタログ、制作過程=信頼、日常=人柄、告知=販売。週次で「保存数・プロフィールアクセス・在庫ページ遷移」をKPIに置き、金曜21時の定期Dropなど“買うタイミング”を固定。
新作はリール→静止画→購入方法の三点セットで畳み掛けます。購入後はストーリーズでお礼を掲出し、ハイライト「購入ガイド」を常設。DMは定型文で素早く返信し、次回5%OFFコードで再来店の理由を作ります。外部ではメール/LINEを併用し、発売前日に先行案内を送るとリピート率が上がります。
口コミやレビューを最大限に活用する
レビューは最強の販売員です。到着翌日にテンプレで丁寧に依頼し、写真付きレビューを許可。掲載は商品下部だけでなく、**トップの“お客さまの声”にも転用。ネガティブな声には24時間以内に誠実に回答し、事実関係と対応方針を端的に記します。
改善が完了したら投稿や商品ページに“改善しました”の追記を行い、学びの可視化で信頼を醸成。SNSではリポストとお礼を徹底し、**UGC(お客さま写真)をハイライトに蓄積して社会的証明を強化します。
税金・確定申告の基本(副業扱い・青色申告など)
収益が安定してきたら記録と申告が必要です。まずは売上・経費・送料・手数料・梱包材・機材などを月次で仕訳できる形に整理。年間の利益が出るなら、所得区分(事業/雑)に応じた申告が求められます。銀行口座は事業用に分けると管理が容易です。
開業の有無や控除の取り方、帳簿付けの方法は状況で変わるため、国税庁の最新ガイドや税理士の確認を前提に進めましょう。商品ページとプロフィールには「返品・キャンセル方針」「二次利用の可否」を明記し、ルールを先に見せることでトラブルと工数を減らせます。
失敗しないための注意点
“売る”前に“守る”。最低限のルールとリスク管理を押さえておけば、時間・お金・評判を同時に守れます。ここでは、著作権/トラブル対応/よくある失敗を先回りで塞ぐ実務ポイントをまとめます。
著作権や二次創作のルールを守る
原則は「オリジナル重視・許諾主義」です。迷ったら出品を止め、確認→記録の順で進めましょう。
◎ 自作のオリジナル作品・自分で撮影した素材のみで制作した作品。
△ 参考写真を使う場合:商用可のライセンスを確認し、必要ならクレジットや二次利用制限を明記。
× 既存キャラクター・ロゴ・ブランド意匠の無断使用(二次創作は各権利者の規約と個別許諾が前提)。
× 有名人の肖像を無断で用いた作品の販売(肖像権・パブリシティ権の侵害リスク)。
商品ページに権利を記載する
- 権利表示:著作権は作家に帰属。購入者の私的利用のみ可/無断転載・二次利用・改変禁止。
- 商用利用の可否:可とする場合は範囲(SNSアイコンのみ、動画サムネ可 等)とクレジット表記の要否を明記。
- デジタル商品の再配布禁止:印刷代行・テンプレ化・AI学習データへの流用の可否も明言。
よくある質問(FAQ)
どの販売方法が初心者におすすめ?
最短で実績を作るなら「ハンドメイド系(minne/Creema)やフリマ(メルカリ)」をまず1〜2か月運用し、同時に自店(BASE/STORES)を開設して“育成”を始める二刀流が安全です。前者でレビューと販売体験を得つつ、後者で世界観・価格・顧客台帳を整備。最初は「出品10点・週2回の露出・到着翌日にレビュー依頼」を固定ルーチンにすると、回り始めが早くなります。
販売に必要な届け出はある?
資格は不要です。個人でも販売開始は可能。ただし、継続して収益が出るなら記帳と確定申告が必要になります。口座は事業用に分け、売上・経費・送料・手数料を月次で整理。規模や状況により、開業の届出や申告方式(青色/白色)、消費税の取り扱いが変わりますので、最終的な判断は国税庁の最新ガイドまたは税理士への確認を前提にお進めください。
まとめ
- 初心者でもアート作品販売は可能。
- 自分に合った販売方法を選ぶことが重要。
- 長期的には「ブランディング」と「ファンづくり」が成功の鍵。
本記事の情報ソース
- BASE:料金・手数料(公式)
- BASE:ヘルプセンター(公式)
- minne:販売手数料(公式) / 計算方法の解説
- minne:ヘルプとガイド(公式)
- Creema:出店プラン(手数料の案内・公式)
- Creema:利用規約(公式) / 特定商取引に関する表記(手数料・振込手数料等)
- 確定申告が必要な方(手引・2024年版) / 給与所得者で確定申告が必要な人(タックスアンサー No.1900)
- 青色申告制度(タックスアンサー No.2070) / 青色申告特別控除(No.2072)
- インボイス制度について(概要・事業者向け) / インボイス制度特集ページ
- Seller Handbook(公式ハンドブック)
- Fees & Payments Policy(公式ポリシー) / Listing Fee・各種手数料の基本 / Processing Fees 。
- 海外発送・通関関連:Managing International Shipments 。
コメント